このサイトの情報は平成26・27年度事業のものです
田清窯 FUTAMON|白から始まる「FUTAMON」の世界
  • 田清窯 FUTAMON
  • History

     父の窯を手伝いゆくゆくはその窯を継ぐはずだった先代は、紆余曲折あって父の元を離れ、自分の窯として田清窯を開きました。父の教えに恥じない、父の窯に負けない焼き物を創りたい。その思いに突き動かされ、自分の窯の強み、特徴づける器を模索し続けた先代が、辿り着いたのは「茶碗蒸し」でした。「茶碗蒸し」は和食にしかない器です。形は「蓋・本体・受け皿」の3つで構成されています。1つの器でありながら、工程が多く、3つのパーツをバランス良く創りあげなければならない、手のかかる器です。それだけに腕の善し悪しが問われます。だからこそやりがいがある、先代はそう考えたのです。

     「茶碗蒸し」のほとんどは業務用として、料亭などに納められます。田清窯では新作の「茶碗蒸し」をサンプルとして白で創り、それを見たクライアントは「柄は写実的な梅で」「全体に緑にして織部風に」といった注文を加えるのです。そうして個性を与えられた「茶碗蒸し」は、それぞれの店のオリジナルの器として世に出ていきます。さらに、同じ形でも一回り大きくなれば「蒸し物」の器に、小さくなれば「珍味」や「薬味」を入れる器になり、「茶碗蒸し」の世界は広がっていきます。こうして田清窯には種々さまざまな、白い「茶碗蒸し」がストックされていったのです。

     ふと気づけば、なんと100を越える「茶碗蒸し」が、田清窯のストックに並んでいました。どれも「蓋・本体・受け皿」で構成されているのに、これだけのバリエーションが生まれている。ここまで突き詰めてきたのかと、自分たちの仕事に我ながら驚きました。それと同時に「これこそが田清窯だ」と自負できるものがある喜びを噛みしめました。料亭が衰退しつつある現代、「茶碗蒸し」の需要は減りつつあります。しかし「茶碗蒸し」という同じ形の中から、これだけ豊かな表現の世界が広がるのだということを、世に知らしめたい。田清窯が「つたう」プロジェクトに出すものは、「茶碗蒸し」という器そのものではなく、そこから広がる豊かな世界です。サンプルとして創る白だけをあえて集めたのは、作り手は無になって、使い手の想像力にゆだねたいという思いから。この器を手にとったことで、初めて茶碗蒸しを作る人がいるかも知れません。プディングやアイスクリームを入れる人もいるでしょう。キッチンではなく鏡台に置いて、アクセサリーやメイク道具を入れるといった、新しい使い方を試みる人もいるはずです。田清窯の歴史を糸底のナンバリングに込めて、その先の歴史は使い手が紡いでいくに任せる。より広い世界に置かれる器になるという未来を予感して、「茶碗蒸し」と言う名前を中身から解放し「FUTAMON」と名付けました。

  • 企業理念
  • Philosophy

     「つたうプロジェクト」では、新しい商品やブランドをつくるだけでなく、それぞれに自分達のものづくりの歴史をたどり、その中で見えてきた個々の強みを再認識するとともに、自分達の誇れる「強み」をはっきり意識することで新たなステージに向かうエネルギーを得て、リブランディングに取り組みました。

     ARITAの新しい未来に向けて、自分達つくり手や企業がどうあるべきかを 改めてじっくりと、そして真剣に考えました。そうして作成した新しい「企業理念」にこめられた、私達のものづくりへの「想い」を届けます。

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