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福珠窯 IKOMI|強い存在感を示す可変の器
  • 福珠窯 IKOMI
  • History

     福珠窯の器は個性的と言われます。しかし当代はむしろ「初期伊万里」や「古染め付け」といった伝統的な陶磁器が、福珠窯の作風の基礎になっていると考えています。その上で、時代にあった新しい表現を探っていくのが福珠窯の器づくりなのです。

     近年は、土を型に鋳込んでから手を加え、今までにない美しさを生み出すという技法をよく使います。生地のまだ柔らかさの残る段階で表面を削ってみたり、鋳込みで成形したものを手でいびつにしてみたり。すると鋳込みで同じ形になったはずの器が、ひとつひとつ違うものに生まれ変わっていきます。その形は、そのときの手の力や呼吸の具合、「これだ!」というひらめきなど、さまざまな要因が偶然重なり合って生まれた、その一瞬にしか生まれない美しさ。それが「私はこの世にたったひとつ」という強い存在感を示すのです。

     そうした器は大量生産が出来ません。なぜなら同じ一瞬はもう二度と生まれないからです。だからこそ面白いのだと、当代は考えます。そして矛盾するようですが、それをどう量産するのかを考えるのです。「同じ形をした器」ではなく「同じ思いを感じさせる器」という形で。

     「つたうプロジェクト」に参加するにあたり、福珠窯のオリジナリティーを象徴する器とは何かを考えた当代。やはりこの、鋳込みで作った形に手を加えて生みだす形こそ、今の福珠窯の魅力だという思いを強くしました。シンプルを極め、丸・三角・四角というそぎ落としきった形の器を創りあげます。この形はすべての図形の基礎であり、また最終形でもあります。そして禅の世界ではこの3つで宇宙を表すという、見る人によって幾通りにも解釈される形です。鋳込みで成形したこれらの形を、ひとつひとつ「分けて」いきます。切り口はあえてシャープにせず、柔らかなニュアンスを出すと同時に、ひとつひとつの断面が「こことしか合わない」という結びつきの強さも感じさせます。

     それぞれパーツをどう並べるかは、使い手次第です。並べ方を変えると、四角は四角でなくなり、三角は三角でなくなり、丸は丸でなくなります。器が持って生まれた、割れたような不定形の面白さを、使い手がどう自分らしく使うか。ある意味、使い手の感性に挑戦する器ということも出来るでしょう。形はシンプルですが強い個性を持った器を、使い手はどんな景色に見立てるのか。鋳込みに手を加えて創り出す変幻自在な表現は、使い手の感性に触れて使われるたびに新たな美へと変化していくのです。

  • 企業理念
  • Philosophy

     「つたうプロジェクト」では、新しい商品やブランドをつくるだけでなく、それぞれに自分達のものづくりの歴史をたどり、その中で見えてきた個々の強みを再認識するとともに、自分達の誇れる「強み」をはっきり意識することで新たなステージに向かうエネルギーを得て、リブランディングに取り組みました。

     ARITAの新しい未来に向けて、自分達つくり手や企業がどうあるべきかを 改めてじっくりと、そして真剣に考えました。そうして作成した新しい「企業理念」にこめられた、私達のものづくりへの「想い」を届けます。

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