このサイトの情報は平成26・27年度事業のものです
利休窯 sino・nome
  • 利休窯 sino・nome|新たな時代を予感させる明け方の空
  • History

     利久窯の工房は、趣き深い木造の平屋です。どことなく懐かしいような気持ちになるのはなぜでしょうか。おそらくそれは幼い日の記憶。この建物は、廃校になった小学校を移築したもの。柱や梁、引き戸の硝子など、古き良き時代の香りがそこここに残っています。天井は張らず、わざとむき出しにした梁をうまく使い、成形した器を並べ、保管する棚板を無数に並べるスペースを作っています。この天井から吊す棚板は、地震の時も地面からの揺れの影響をあまり受けず、ほとんどの器を無傷で守りました。

     「おじいちゃん(先々代)のおかげだね」と、当代のスタッフが感じることは、さまざまあります。庭の石楠花(しゃくなげ)の花もそのひとつ。利久窯の、家族の歴史を見守ってきたシンボルツリーであるその石楠花は、利久窯を代表する染め付けの柄になっています。有田陶器市のために創りだした柄で、多くのお客様がその美しさに目を輝かせ、石楠花の柄を選び我が家へと連れ帰ってくれます。普段は地元の商社を通して器を世に送り出すことが多いだけに、直接お客様の顔が見える陶器市は、窯元にとって特別なもの。先々代が植え、家族を見守り続けてくれる石楠花の美しさが、器という形でお客様の食卓にも花を咲かせるのです。

     「何が利久窯の魅力だろうか」それを考えていたとき、やはり先々代の仕事からヒントが見つかりました。無造作に積んであった古い器の山の中に、先々代が創った食器が埋もれているのを見つけたのです。形の面白いもの、柄の面白いもの、市場のニーズに応えてあらゆる器を創ってきた有田らしいデッドストック。その中に、志野焼を思わせる器がありました。有田焼の技法で創られた「土もの」風の器です。それには「土もの」の魅力を備えながら、しかも「土もの」そのものとはひと味違う、有田焼の良さがありました。

    「これだ!」

     先々代の器にヒントを得て、2016年の利久窯らしく創りあげたのが「sino・nome」です。しののめとは明け方の東の空のこと。朝日に染められた空であり、夜から朝に変わる時間特有のその色は、物事の始まりにふさわしい、美しいことが始まる予感に満ちています。新たな利久窯の歴史を拓くにふさわしい、「土もの」の魅力を有田の磁器に昇華させた器の誕生です。

  • 企業理念
  • Philosophy

     「つたうプロジェクト」では、新しい商品やブランドをつくるだけでなく、それぞれに自分達のものづくりの歴史をたどり、その中で見えてきた個々の強みを再認識するとともに、自分達の誇れる「強み」をはっきり意識することで新たなステージに向かうエネルギーを得て、リブランディングに取り組みました。

     ARITAの新しい未来に向けて、自分達つくり手や企業がどうあるべきかを 改めてじっくりと、そして真剣に考えました。そうして作成した新しい「企業理念」にこめられた、私達のものづくりへの「想い」を届けます。

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