このサイトの情報は平成26・27年度事業のものです
陶悦窯 masira
  • 陶悦窯 masira|新たな時代を予感させる明け方の空
  • History

     一口に有田と言っても地域によって得意とする技法が違い、皿が得意、酒器が得意など、生産する器にも地域ごとの特徴があります。また窯元の先祖が何を作ってきたかで、窯にもそれぞれの強みがあるのです。

     陶悦窯は14代続く窯元で、先々代までは三川内で焼きものを続けていました。細工物が得意な三川内から有田に移った先々代は、絵付けを得意とする有田の窯元の中で独自性を発揮するために、土もの風の味わいを特徴とする、黒い器を追求していきました。モダンな雰囲気を醸し出す陶悦窯の黒い器は時代の流れに乗り、「陶悦窯といえば黒」というほどの人気作品に育っていきます。

     しかしその流れに身を任せているのではなく、新しい流れを自分で作りたい。当代はそう考え、新たな陶悦窯の代表作を模索しました。以前からあこがれていた、陶悦窯の本流である三川内の細工物。そこに有田に移ってから先々代と先代が育てた器作りの技を加えたい。細工物と言ってもただ飾るもののではなく、飾りたくなるほど美しい暮らしの道具を作ろうと、当代は細工に適した土を探すうちに、天草陶石に行き着きます。天草陶石は高度の品質を保つために、ほんの少しの妥協も許さず、「使えない」としてはねてしまうものがかなりあることを知り、これを使って作品開発に挑みます。はねものといっても高温・短時間で焼くとゆがみやすいという難点だけなので、焼くときの温度をあまり高くせず、時間をかけて焼くことでその難点をクリア。細い首のように、極端に変形しやすいデザインにしなければ問題はありません。限りある陶石を大切に使うのは、未来の陶工のためでもあります。また昨今作り手が減りつつある細工物を手がけることも、未来の有田の陶工に技術を残す一つの方法だと考えているのです。

     当代はさらに自分に難問を課します。それは茶筒という形への挑戦です。茶筒は本体と蓋がぴったり合わなくては用をなしません。しかし焼きものの蓋と本体をミリ単位で思い通りのサイズにするのはほぼ不可能です。だから焼きものの世界で茶筒は作られなかったと言っても過言ではないでしょう。その過去を超えてみたいと、当代は考えました。

     これは自分一人の力でやるのではない。初代から13代まで陶悦窯の歴史を作ってきた先人たちの知恵と技術を受け継いで、今、自分は挑戦するのだ。そんな思いを込めてつけたブランド名「ましら」は、伝説に残る陶悦窯の3代目が殿様より賜った「如猿」(じょえん/ましら〈の〉ごと〈し〉が由来)という名前から。殿様を瞠目(どうもく)させた名人技にあやかりたいという願いを込めました。

    現代の人々を瞠目させる「ましら」にご期待ください。

  • 企業理念|『つくる悦び つかう悦び 暮らす悦び』 「モノ・ひと」を育て社会に貢献する。
  • Philosophy

     「つたうプロジェクト」では、新しい商品やブランドをつくるだけでなく、それぞれに自分達のものづくりの歴史をたどり、その中で見えてきた個々の強みを再認識するとともに、自分達の誇れる「強み」をはっきり意識することで新たなステージに向かうエネルギーを得て、リブランディングに取り組みました。

     ARITAの新しい未来に向けて、自分達つくり手や企業がどうあるべきかを 改めてじっくりと、そして真剣に考えました。そうして作成した新しい「企業理念」にこめられた、私達のものづくりへの「想い」を届けます。

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