米国のホリデー商戦で光る日本製。

ロックフェラー・センターのクリスマスツリー、街中のウィンドウディスプレイ、 デコレーション。ニューヨークのホリデー・シーズンは、寒さを吹き飛ばすような華やかさがあります。それに加えて、ポップアップ・ショップやホリデー・マーケットが出現し、街に活気を加えます。日本には類を見ない習慣ですが、12月のホリデーに向けて、家族全員分、親戚一同とのプレゼント交換用、友人や同僚、日頃お世話になっている人へのプレゼント等々、米国在住者の多くが、沢山のギフトを用意します。一年中で最も賑わう、ショッピング・シーズンなのです。今回は、ホリデー商戦中のニューヨークで見かけた、キラリと光る日本製商品を幾つかご紹介します。

最近 ニューヨークでよく目にするポップアップストア。
チェルシー地区は、200軒以上のアート・ギャラリーが集まり、トレンドの発信拠点としてハイセンスな人たちを集めてきました。近年では、ハイラインやホイットニー美術館のオープンに伴い、近隣のミートパッキング地区が注目を集めているため、チェルシーにも、また新しい風が吹き込んできています。このチェルシーに出現した、トレンドを捉えたホリデー・ポップアップ・ショップで見かけたのは、日本製の手袋。寒さの厳しいNYでは、幾つか持っていても邪魔にならない手袋は、ギフトに向いています。素材の豊富さ、スマホ対応や解説付きパッケージも付加価値になっています。

ニューヨーク近代美術館MoMAのキュレーターが厳選したMoMAの代表的なプロダクトから、雑貨・インテリアまでグッドデザインを取り揃えたMoMA公式店。単なる美術館のストアと言う位置づけを超え、世界中から最高のデザイン商品を集めており、大人から子供まで楽しめるデザイングッズが揃っています。

先程紹介した手袋をはじめとし、様々な日本製の商品がここでも見られます。こちらのスカーフセクションでは、日本製が大半を占めていました。NYでも、スカーフはギフトの人気アイテムです。鍵となるのは、素材や形のユニークさ、品質、価格のバランスがポイントです。

ユニオンスクエアとフラットアイロンの間に位置するabc Carpet & Home(以下abc)は、センスの良いアイテムが揃うインテリアショップとして有名。ビル丸ごとがショップとなっており、地下1階から6階まで全6フロアで構成されています。世界中のバイヤーやインテリアデザイナーも注目するこのショップでも日本製が見られます。

日本の調味料は、普段からお洒落な雑貨や生活用品と並んでディスプレイされているところを見かけます。ホリデーギフトのメインに食品が選ばれる事は稀ですが、食器や調理器具などと組み合わせて、ギフトセットとして贈ることはNYでも人気です。馴染みは薄いけれども、品質や味に定評のある日本産を組み合わせるのは粋な演出です。

また、ホリデー商戦限定ではありませんが、日本企業のタオルは、abc内に堂々とした売り場を構えています。NYで受けの良いカラーバリエーション、欧米市場では珍しい大人向けのガーゼ素材タオルなど。販路をabc限定にし、特別なポジションを確保しています。

これらの商品がホリデー商戦に参画し、他のお洒落アイテムと肩を並べることが出来るのは何故でしょう。値段は割高でも十分に勝負できる、デザインや商品コンセプトがあるのではないでしょうか。もちろん、バックボーンには、「日本製」への信頼があります。NYでも確実に日本製に対する価値が確立しているようです。

LINE UP

  • "Made in Japan" in NYC

    工芸、デザイン界との幅広いネットワークを活かし、北米における日本製品の市場をリサーチ。アメリカにおけるクラフト事情から、2児の母として感じたアメリカライフなど掲載。

  • What's up in NYC

    NY市場でのビジネス展開企業のサポートや、飲食業界に精通。飲食業界の展示会やイベント、新店舗や卸情報など、「食」を通してニューヨークのトレンド満載なコラムを掲載。

  • Challenge NIPPONSAN!

    NY NOWなど日本企業の展示会出展支援を行いながら、みずから世界最大のアメリカ市場参入に奮闘する日々世界最大のアメリカ市場に挑む日々をコラム連載。

  • Marketing NOW

    最先端のマーケティング戦略を実践、世界から注目のアメリカ。話題の企業や店舗は顧客獲得のために何をしている?ミレニアル世代・デジタル世代に受け入れられている理由をさぐり、現地からレポート。Eiko Fujiwara