2018/1/26

ニューヨークで、変化を遂げた陶磁器鍋

有田で生まれた「UTSUWA美」が、初めてニューヨークにお目見えしたのは、2016年夏の事でした。3ヵ年事業である∞ARITAが始まり、参画事業者の大慶が、自社の主力商品である陶磁器鍋を、ニューヨーク現地での反応を見るために送り込んだのです。

ところが、UTSUWA美に対する一般消費者の反応はイマイチ。その大きな理由は、クッキングスタイルやライフスタイルの違いにありました。ひとつには、電子レンジを使った調理が、米国では一般的ではないこと。手軽な電子レンジ調理が、日本ではセールスポイントですが、ニューヨーカーには魅力的に感じられなかったのです。もうひとつには、食生活や電子レンジ使用を意識したサイズ展開は、米国で通常使用する鍋と比べ、とても小さいこと。そして、日本では人気の可愛い絵柄も、ニューヨーカーにとっては、幼く安価な印象を与えてしまう点にありました。

その中で、UTSUWA美に興味を示したのは、インテリア・デザイナーのジェネラル・ジャッド氏でした。ジャッド氏は、ブルーマンとして活躍した後、映画セットの仕事に携わる妻クリスティーナと、Me and General Designを設立。マンションやオフィス空間を、ライフスタイルを感じる、生きたスペースとして演出する仕事に定評があります。二人にとって、小物やオブジェ、アートやその他アクセントは、空間を仕上げる為に無くてはならないものだそうです。 ジャッド氏は、 空間のアクセントとして、UTSUWA美に着目しました。蓋付容器は、小物入れとして実用性もあり、人気のアイテムだそうです。楕円形のUTSUWA美は、タイムスリップしてきたような不思議なデザインで、キッチンなどに配置したら面白い、と期待を込めて語ってくれました。

さて、UTSUWA美は、1年半を経て、どのように変わったでしょうか。 ニューヨークでは、その後もヒアリングを重ね、事業者自身も、現地で多くの小売店や展示会を巡り、サイズ感、用途、デザインのトレンドを肌で感じ取りました。そして有田では、MIJPとの勉強会を通して、改めて自社商品の強み・弱みを見つめ直し、その上でターゲット顧客、ブランド、商品コンセプト、事業計画を練りました。更に、ニューヨークのクリエイティブ・ディレクターや専門家からのアドバイスを取り入れ、遂にHACHIが完成したのです。

2018年2月、NY NOWでのデビューを控えたHACHI。デビューに先駆け、2017年12月から2018年1月初頭にかけ、数名のユーザーに実際に商品を使用してもらい、その結果をヒアリングしました。ホリデー・シーズンに重なったこともあり、ユーザーには、特別なクリスマス・ディナーにも活用いただきました。アメリカでのクッキングスタイルや、お客様をお招きしたホームパーティが多いことなどを意識し、機能性にも優れ、テーブルを華やかに彩るモダンなデザインに変身したHACHI。今後、どのように北米市場に受け入れられていくか、とても楽しみですね。

LINE UP 近年益々プロジェクトが増え続けるMIJP.NY。MIJPアメリカ事業の参画メンバーによるコラムをお届けします。
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