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しん窯 noutan|人々の思いを「つなぐ」丸の器
  • しん窯 noutan
  • History

     有田の街で暮らす人々の8割近くが、焼き物に関わって暮らしているといわれた時代があります。今でこそそこまでではなくなりましたが、窯元の暮らしは家族総出で有田焼を創るというのが、ごく当たり前のことでした。しん窯にはそうした昔ながらの、窯元のあり方が色濃く残っています。1830年(天保年間)に有田皿山外山で創業、鍋島藩の指導のもとに民窯として築かれて以来、一族が結束して上質な器を創り続けてきたのです。

     有田焼は基本的に分業で創られます。絵付けも実は一人ではなく何人かの人間がひとつの絵柄に関わっているのです。分担にも伝統的なスタイルがあり、男が線を引いて絵を描き、女が「濃(だみ)」と呼ばれる面塗りを行ってきました。器を見ると、絵を形作る線の方に注目が行きがちですが、実は筆に含ませた絵の具を繊細な力加減で押し出して、濃淡を表現する「濃」が、線を引き立ててくれているのです。勢いをつける大胆さと、細部に気を配る繊細さ、そして神経を使うこの作業を集中して続ける忍耐強さがなければ出来ない「濃」。夫婦や家族のコンビネーションで線と「濃」を描き、有田の染め付けという美しい技法を守り伝えてきたのです。

     そんな陰の主役であった「濃」に光を当てよう。染め付けの主役の交代、 手作り、手描きという伝統的なスタイルで染め付けの器を作り続けてきたしん窯にとって、一般的な「濃」はどこから筆を下ろし、どこで筆を上げたか、濃淡をじっくり見ればわかります。ほんの少しの力加減で呉須の濃さが安定しない「濃」だけに、ある程度の面積を一定の濃度で塗るのは非常に難しいのです。しかし、しん窯の高い技術を持った職人が塗る「濃」は、濃淡を一定に保つことができます。染め付けの本質を追究し、この高い技術をどう柄に活かすかを考えに考えて、シンプルな丸をつなげてグラデーションを表現する柄を思いつきました。

     さらに染め付けで柄を表現するだけでなく、型押しの丸も加工しました。今まで染め付けを一心に追求してきたしん窯にとって、これは新しいチャレンジでもあります。それでいて、器の印象はあくまでしん窯らしいものに仕上げ、ぶれることなくしん窯らしさを未来につなげています。

     丸という形に終わりはありません。「思いをつなぐ」「伝統をつなぐ」「家族をつなぐ」など、しん窯のあり方を感じさせるにふさわしい形です。また器を並べることで、さらに丸をつなげ新しい形が生まれます。つまり使い手にもしん窯のクリエイションがつながっていくのです。

  • 企業理念
  • Philosophy

     「つたうプロジェクト」では、新しい商品やブランドをつくるだけでなく、それぞれに自分達のものづくりの歴史をたどり、その中で見えてきた個々の強みを再認識するとともに、自分達の誇れる「強み」をはっきり意識することで新たなステージに向かうエネルギーを得て、リブランディングに取り組みました。

     ARITAの新しい未来に向けて、自分達つくり手や企業がどうあるべきかを 改めてじっくりと、そして真剣に考えました。そうして作成した新しい「企業理念」にこめられた、私達のものづくりへの「想い」を届けます。

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